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★技法5:暴露法(エクスポージャー)

2016年1月25日

暴露法はエクスポージャーともいいます。不安障害、強迫性障害(OCD)、社会不安障害(SAD)等に有効とされています。恐怖や不安の原因となる状況や刺激にさらすことで不適応反応を消去する行動療法の一つです。ハイアラーキー(不安階層表)を用いて段階的に恐怖場面に直面させます。

エクスポージャーには、イメージを使う場合と、現実場面に直接さらす方法の2種類があります。現実場面で行った方が、治療効果が高いとされています。
たとえば、「電車に乗ることができない(怖い、不安)」と言うクライエント様に対し

1、まず駅の前まで行って帰ってくる
2、駅構内に入って帰ってくる
3、ホームまで行ってみる
4、ひと駅だけ電車に乗ってみる
5、電車に乗る時間を増やしていく

というふうに、少しずつその対象に身をさらしてゆく、というものです。「ほらね、怖いと思っていたけど実際にやってみたらできるでしょう?大丈夫でしょう?」ということを、クライエント様に言葉で説明して理解していただくのではなく、まさに「身を持って」体験していただくことです。

暴露法の実践(強迫性障害の例)
たとえば「何度も手を洗わないと気が済まない」という方に「手を洗わないことで起こり得る最悪のストーリー」を考えてもらいます。「手を洗わないで料理をした、家族が食中毒になって苦しんでいる。」というスト―リーを文章にして、毎日読み上げます。
または録音して繰り返し聞きます。ここから先は現実場面での暴露になりますが、
あわせて、手を洗わずに料理をする、ということを実際にやってもらいます。その結果、最悪の事態に陥ることはまずないでしょう。こうして「ほらね、大丈夫だったでしょう?」という思いを強化していきます。

 

暴露法実施時のカウンセラーの留意点
・事前に心理教育セッション(インフォームドコンセント)を行い、
脅威刺激の原理の説明を受け、理解してもらう。
・どのような状態になっても大丈夫であることを理解してもらう。
・実施時に決して逃げ出さないように伝える。逃げ出すという回避行動は、

逆に脅威刺激に対する強化を与えてしまうので注意する。
・十分に安全が確認された場所で実施する。
・実施時に不安の強さがどれくらいなのかを随時チェックしていく(点数化してもよい)。
以上がエクスポージャーを行う時の、治療者側の留意点です。と申しましても、実はエクスポージャーを施行できる精神科医はアメリカでさえ10%以下、日本では数えるほどの病院でしか受けることができません。

 

暴露法 実践例

 

私が電話カウンセラーとして活動させていただいているこの数年間で、まさにご自身で固く決意なさって、独自でエクスポージャーを実践なさったクライエント様が数名いらっしゃいます。大きな不安の中で、少しでも症状を改善しようと、皆様独自の工夫で、それぞれの課題に取り組んでいらっしゃいました。

 

実践例1人が集まる場所が怖い、とおっしゃる方は「今日は大きなデパートに行きます!」と宣言。私と携帯電話でのカウンセリングを受けながら、その都度、不安な気持ち、体調の変化を報告していただき、見事、それをやり遂げました。

実践例2

電車に乗ることが怖い方は「今駅です」「これから電車に乗ります」など、お電話で状況報告を知らせて下さり、ご自分なりに取り組んでいました。

実践例3

職場の人間関係が苦痛だった方は勇気を出して自ら会合に参加。苦手な人との距離を縮めることに成功。社会不安障害から来る症状も緩和されました。

 

これらはカウンセラーの私からエクスポージャーを提案し、実践した結果ではありません。それぞれ皆様方、さまざまな思いがあり、自ら計画し、実行なさったことです。大きな病院などでは綿密な治療計画を立て広場恐怖の克服などについては、時に集団で実施することもあるようです。しかし私は、クライエント様お一人おひとりが自分を見つめ、自分のこれからについて考え、今必要と思われる課題を決めて自主的に取り組む、というその姿に感動します。
認知行動療法の基本姿勢の一つに「治療は受けるものではない。(自ら)するものである」と言う言葉があります。「治りたい」「治したい」と強く願いそれを実行することのできるクライエント様にエクスポージャーは有効であるといえるでしょう。

暴露法の実践をためらう方へ
「エクスポージャーは無理をして行うことのないようにしましょう。また、エクスポージャーだけが治療のすべてではありません。さらに、今現在、エクスポージャーを試してみる気持ちになれない方は、そのことでご自身を責める必要はありません。それぞれの心理療法には、実施するのに適切な時期があります。休養が必要な方、心理療法が必要な方・・・人それぞれですから、認知行動療法自体にお気持ちが向かなくても気に病む必要はありませんので、どうかご心配なく」